「島の中にいる者同士だからだよ」


渚が暗い声で言った。


「昨日島の説明を呼んだ後、本土の家族に電話したけど呼び出しすらしなかった。メッセージも同じ。本土にいる相手とは誰とも繋がれなかった」


「そんな……」


それじゃまるでこの島に隔離されてしまったような感覚だ。


なんだか気分が悪い。


「で、でもまぁいいじゃん! 船が来ればいつでも本土に帰れるんだからさ」


気を取り直したように美文が言う。


「そうだよね。寮生活だと忙しくて帰る所じゃなくなるかもしれないしさ」


あたしも美文の言葉に賛同した。


しかし、渚だけは浮かない顔をしている。