無数の針が大志の体を貫いて、破損した部位から血が溢れだした。


それでも大志は生きていた。


急所を貫いた針がなかったのか、剣山の中で両手をばたつかせてもがいている。


その様子を最前列で見ていた誰かが嘔吐する音が聞こえて来た。


大志は両手を剣山の中に突っ込み、自分の体を持ち上げようとしている。


しかし、動けば動くほど大志の体から血が流れ出す。


目の下に刺さっていた剣山を無理矢理引き抜いたため、眼球が零れ落ちて転がった。


腹部に刺さった剣山が抜けたとき、その隙間から赤黒いなにかがドロリと溢れて出て来た。


剣山は大志の臓器を貫いていた。


そして剣山を引き抜くと同時に、その臓器は引きずり出されてしまったのだ。


1度溢れた長い臓器は重力に逆らう事ができず、ズルリと外へ飛び出して来た。


その拍子に、剣山でできた傷の間の皮膚がブチブチと音を立てて引きちぎれて行く。


それはまるで爆弾のようだった。


大志の腹部ははじけ飛ぶようにして内臓をまきちらし、そして大志はその場に崩れ落ちたのだった。