課長、恋しましょう!

思ったわけようのところへ、盆に湯飲みを載せた彼女が笑顔でやってきた。

をい、こら、待て、おい。さっき別れたばっかなのに、お前なにしに来た。

「課長」

「なんだ」

「お茶をどーぞ♪」

まさか、マジでそれだけで来たのか。

湯飲みを受け取ると、なにやらそれで正解らしい。彼女は首をかしげながらにこっと笑い、行ってしまった。

バカが……俺にだけ茶を出したら、怪しまれるだろうが。と思ったら、彼女は給湯室へ入り、今度は一度にたくさんの湯飲みを載せて回った。二度手間だろうに……。

まったく。彼女の、奔放なくせにさっぱりしているところに、俺は振り回されているなぁと痛感する。痛感しながら飲んだ茶は、ほどよく渋く、美味かった。

俺は独り暮らしだ。だからよく茶は入れるんだが……彼女の茶には敵わない。おかしい。たかが給湯室レベルで、俺が家で入れる茶以上とは……。

ずずず。ああうめぇ。こういうのを味わう度に、彼女は素養が高いんだなあとつくづく思うぜ? なんだってこんなオジンのとこに来るやらだ。