玄関を出て、直感的に今日は良くない日だと思った。
どうしてかは分からない。
だけど私には、そういう事が何となく分かる。
だから私は誰とも一緒にいない。
他の人を巻き込んだらいけないと言われている。
そしてもう、あの人みたいな人を出さないため。

私は安曇瑞佳と言う。
両親はいない。
ずっと昔に私の前から姿を消した。
行方なんて知らない。
物心ついた時にはもう居ない存在だ。
私の中に必要が無かった。
そのせいか、私は小学生のうちから友達がいない。
たまに話してくれる人もいるけど、もともと私が他人が得意ではないため、どうしても仲良くなれなかった。