愛を知らない私を愛して








不意打ち……!!




私はボッと顔を赤くさせた。



そんな私の表情を見て渚くんは満足そうに笑う。



……なにがしたいの……?



「……窪田社長、挨拶できてよかったです。……それでは失礼します」



私はペコっとまたお辞儀だけしてその場を即座に去った。



「えっ、ちょっと依茉! えっと……すいません失礼します!」



そして快もお辞儀だけして私を追いかけるため、その場を後にした。




「依茉!!」



そして私の腕を掴む。



「急に逃げ出すように去って……どうしたの?」



「……渚くん、私と恋愛してたとは思えないなって思って」



今思うと信じられない。



仕事帰りに迎えに来てくれたのも、ご飯を一緒に食べたのも、旅行に行ったのも、一晩甘い時間を過ごしたのも。



さっき私に向けたあの笑顔はまるで付き合ってた頃の日常が嘘のように思えてきて悲しくなった。



……私が渚くんにそう思わせたかったのに……



私がまた傷つけられてどうするんだ……




「……依茉、仕事だと思いなよ。窪田さんのことを元カレだって思うから辛いんだよ。……契約してるブランドの社長。そう思えば楽になれると思うけど……」



「……うん、そうだよね……」



快の言う通りだ。



忘れるって誓ったくせに……意思弱いなぁ、私……