愛を知らない私を愛して








「2人とも声大きいよ……」




藤井サブが車に乗り込むと依智兄は恥ずかしそうにそう言う。




「そう? 温泉なんて久しぶりだからテンション上がっちゃって! 依智くん運転ありがとうね」




藤井サブはそう言って依智兄にニコッと笑った。




「女の子に運転させるわけいかないからね……」




「ふふっ、ありがとう。それより窪田さんは?」




藤井サブは助手席に座って私がいる後部座席を見てそう言う。