「それで?」

さっき、教師になりたくてなったのかと聞いたら

『どうだろう?』と答えた事にだ。

「うちは、圭ちゃんも知っての通り私に無関心だったでしょう?
少しでも見てほしくて、勉強は頑張ってたの。
ただ、夢をもつような純粋さはなくて………。
早く働いて、お金を返すことばかり考えてた。
先生になろうと決めたのは
高校の先生が『大学に行った方が良いところに就職出来る』って言ったから。
沢山お金が入るかな?って。
幼稚園の先生なら短大に行けば資格も貰えるって聞いて行ったの。
たんぽぽ幼稚園に決めたのも、お金が良かったから。
ただね。
この幼稚園は、ホントに良いところで……
今まで経験したことのない安心を与えてくれたの。」

「だったら辞めたくないだろう?」

「もちろんそうだけど……。
一年過ごして教えて貰った事は
『いつでも、何処に居ても………ここは温かく迎えてくれる』っていう安心感。
絶対に、永遠のサヨナラはないんだ。
だから大丈夫。
圭ちゃんが私を必要だと思ってくれるなら、何処にでもついていくよ。
何屋さんになるのかな?
楽しみ!!」

こんなに純粋に俺を信じてくれるのに…………

俺は、何を悩んでるんだ?