ピンポン。

忘れ物か??

「はい。」

声をかけながら玄関に行くと

「圭ちゃん!」と声が聞こえた。

うん??

彩ちゃん??

ドアを開けると、転がり込むように入ってきた。

「洋ちゃんは??
咲は?」

過呼吸になりそうな彩ちゃん。

「大丈夫?
咲は今、出掛けたよ。
たぶん………洋介と一緒だと。」

「やっぱり…………。」

凄い落ち込みに

洋介の悪ふざけに腹が立つ。

「ごめん。
洋介が咲をからかって、出掛けることになったんだ。
浮気じゃないから安心して。
遊園地に行くって言ってたから………追いかけよう!
ちょっと待ってて、ささに連絡する。」

店番の交代と遊園地の場所を聞くためにかけると

「ハイハイ。
店番、オッケーだよ。
遊園地は…………」とつらつら答える。

まるで俺が聞くことを予測していたように。

…………………………アイツら………………。

怒鳴りたいのは山々だが

隣には意気消沈の彩ちゃんがいる。

これ以上怯えさせてもと思い、飲み込んだ。

今度覚えてろよ!