「アレッ!
咲ちゃん…………………嫌なんだぁ~
悲しいなぁ。」

わざと拗ねたように呟くと

「……………別に…………………嫌な訳じゃ…………。
…………心づもりが……………………出来てないって言うか……。
さっきの、今だから……………。」

苦しい言い訳をする咲が可愛い。

「嘘だよ。
楽しみは、結婚式当日まで取っとくつもりだから。
思いっきりロマンチックな思い出にしような。
今からジムで鍛えるかぁ!」

「圭ちゃんのエッチ!!」

真っ赤になる咲が可愛いくて

「えっ?!
何がエッチなんだ?
俺は、式でお姫様抱っこが出来るように
鍛えるつもりなんだぞ。」と

白々しく言ってみる。

「圭ちゃんのイジワル!」

大笑いしながら

自分の浮かれ具合に呆れてしまう。

18も離れた女の子に………

まさかこんなに振り回されるとは

思いもしなかった。

喫茶店のマスターをしながら

のんびり彰人と過ごすと思ってたんだけどなぁ。

それが、いつの間にか副社長。

そのうち、子供が出来て…………

哺乳瓶片手に、プリンを作ってるんだろうな。

180度違う人生を歩むことになったのに………

それが嫌だと思わないから…………不思議だよなぁ。

咲と出逢って…………

俺は……………幸せになったなぁ。