彰人と入れ替わりに、Barで待つ夏苗ちゃんのもとに向かう。

「遅くなってごめんね。」

俺の店にしたのは

誰にも邪魔されないからだ。

後輩に断りを入れて、裏に移動する。

ここは、彰人と洋介と三人で話し合う時の部屋で

今も鍵は三人しか持ってない。

コーヒーを淹れる俺に

「咲は………大丈夫ですか?」と尋ねる。

夏苗ちゃんは、見合いの事も

咲が話しを聞いた事も

その事で傷ついた事も…………

全て、知っているようだ。

「帰ったら、突然大泣きされて…………
その後パニックまで起こして…………参ったよ。
俺さえ知らなかった、見合いの話しをされて……。」

俺の言葉に、おやっと驚いた顔をして

「お見合い……………
知らなかったんですか?!」と告げた。

当たり前だろう!

咲がいるのに、見合いを知ってて受け入れるはずがない。

むしろ、俺の方が驚きだ。