「知ってるのか。なら話は早い。彼女、泣いてたろ?」

「あぁ、あの子病気なんだろ?死にたくないって泣いてた」

そう言うと親父の顔が曇った。

これは多分今から余命宣告をしなきゃいけない。そのぐらい思い詰める顔だった。

「結愛ちゃんは3歳の時から心臓病と診断された子。おそらくもっと前から病気だったんだろうな。でも前の病院では診断されなかった。だからここにきた。」

あいつ昔から病気だったのにあんな明るく過ごしてんのか?

「結愛ちゃんに今日診察で言うことは余命宣告。」

俺の勘が当たった。でも

「治せねぇの?移植すりゃ治るんだろ?」