同窓会当日。

 ここかな。
 田舎でもお洒落なお店はある。
 今回は少し広めのホテルで貸し切りだった。

 私は、ゆっくりと進みながらキョロキョロしていた。
 そんな時、後ろから呼ばれた。


「久しぶり!なつー!」

 リエが私にそういって抱きつく。

 その部屋にいたのは、私もみんなも、変わらず、いつものメンバーだった。
 たまにしか会えなくなってしまったが、とても心地いい感じがする。
 落ち着く顔ぶれ。
 昔ながらの商店の息子で、お調子者のよっちゃん。
 情報通でいつもみんなの、まとめ役だ。

 そんなよっちゃんが言った。

「今日さ、あと1人くるよ。」

「誰なん?」

「来てからのお楽しみだよ。」

 いつもと違う誰かがくるなんて珍しい。

 リエも綺麗なワンピースを着ている。
 可愛い。


 みんなお洒落さんだなぁ。
 一生懸命、お洒落してはみたけど。


 スパークリングワインを片手に、みんなほろ酔いで懐かしい話をしている。

 美味しそうなご飯も目の前に並んでいる。

 そんな時、よっちゃんが携帯で誰かと話をしていた。
 少し困ったような顔をしている。


「今日、来れなくなったらしい!」

 結局その人は、急用で来れなくなってしまったらしい。

 情報通のよっちゃんが、ゆっくりと私に近づいてきて少し小さな声で言った。



「なつ?今度会えるかな?」

「うん。」

「また近々、連絡するから!」

 珍しい。
 いつも誰かしら何人かで会うのに。

 よっちゃんが私1人を誘うなんて。

 それにしても同窓会って、やっぱりいいな。

 みんな昔から知ってる。
 気心知れた仲間だから。


 楽しく懐かしい話をしながら過ごしていた。