奴が来た。


いつもの長い廊下。



光を背負い現れた黒ずくめのシルエット。


俺と認識するや否やの行動。


スローモーション。


ゆっくりと額を撃ち抜かれ倒れる。


見上げるいつもの天井。



に、



あの女の顔が、俺を見下ろしていた。


俺はいつもと異なった理由で、満ちたりた薄ら笑いを浮かべた。










「ありがとう」







【終】