彼の傘に入り、雨の音が響く中一緒に歩く。
「また、雨だな。」と彼が言う。
「そうだね。」と私も言う。
それから、家に着くまで私達は一言も喋らなかった。
その時間が、特別に感じた…
「じゃあな。」と彼は私のマンションの前で言った。
「うん。」と返事をすると、彼は私に背を向けた。私は少し寂しくなり、彼に抱き着いた。
彼の右肩は濡れていた…
「朝日。また明日な。」と彼は言って帰って行った。
ここまで彼女に話すと、なぜか暗くなっていた。
「どうしたの?」と聞くと、
「なんで、旦那さん冷たいんですか?」と言った。
「あ、恥ずかしかったんだって。」と私は言った。