私どんな顔をしてた? 「少しでも僕の入るスキがあると思ってたんだけど、そんなのはなさそうだね」 少しずつ草壁君が近づいてきたと思った瞬間 「…わざわざ来てくれてありがとう。やっぱり菜乃を好きになってよかった」 そう言いながら私のおでこに草壁君の唇がほんの一瞬触れた。 「……おい」 そんな聞いたこともない低いハルの声が後ろから聞こえる。