「こっち見てよ」

耳元で囁く声。
この声に、私は逆らえない。
「っ···」
目を瞑って顔を上げた。
「そんな可愛い顔しないでよ」
朝から甘いセリフ言わないでよ!
心臓もたないから···。
そう思った瞬間。

チュッ。

柔らかい唇が私の唇を苛む。
ゆっくり離れていく温もりに、名残惜しさすら感じる。