だが、その剣はファミリアに届くことはなかった。

ファミリアの従者達が護ったのだ。


「ファミリア様。お早く指輪を王様に!」


「はっ、あ、ありがとう皆!

王、これを…!」


ファミリアは唖然としていたが、

ハッとして王に指輪を渡した。

王は指輪に魔力を流し、映像を映し出した。

そこには、あの日の悲惨な事件が映し出されていた。

勿論、ルールの顔も命令した声も。


「ルール。

お前の爵位を無効とする。

牢の中で一生を過ごしなさい。



それとファミリア、

わしが気づかなければいけない事を、お前に背負わせてしまった。

すまなかった。」


王はファミリアに頭を下げた。


「いいえ、いいえお父様。

私今回嫌なことばかりではなかったわ。


シンって言ってこの一ヶ月私を助けてくれていた人がいるの。

穏やかで優しくて笑顔が素敵で…。

こんな気持ち初めてなの。

私、シンが好き。」


ファミリアが王へそしてその声は観衆にも聞こえていた。

そう、ファミリアの元へ向かっていたシン達へも。


「ファミリア様!後ろ!」


「死ねー!」


突然後ろから従者とルールの声がした。

ファミリアが振り向いた瞬間。


「ドンッ!」