「シンは、これからもここに居るの?

ここから出ようとか思わないの?」


「……このまま、ここにいたいと思ってるよ。」


シンは何かいつもと違う雰囲気を察し真剣に答える。


「外の世界は気にならない?」


「気にならないかな。

俺、ここが好きだから。」


シンがそう言うと、少し寂しそうに…でも分かっていたかのように遠い目をした。


「そう、ね。確かにここ、私も大好き。」


ファミリアはそう言うと、とんと喋らなくなった。

一時すると、ファミリアはバッと立ち上がる。

気合を入れるように頬を思いっきり叩くと、ファミリアは笑顔で「ありがとう」と言った。