「生徒会長、おはようございます。」

「会長、おはよう!」



学校に着くとみんなに声をかけられる。



そう、私は生徒会長をやっている。
後期に入り、高3の受験のため生徒会長を引き継いだ。

生徒会長という立場はいつも気を張らねばならない。
誰からでも憧れられる存在である必要がある。

生徒会役員に立候補したのはみんなにお礼がしたい、ただそう思ったから。



「由羅!」



私は名前を呼ばれて顔を上げるとそこには一夏がいた。



彼女は荒木一夏。

中学の頃からの親友で、今は生徒会会計として私と一緒に活動している。



「由羅、生徒会室来てくんない?

引き継ぎが終わってない段階でもう文化祭の書類が届いちゃって後輩たちだけじゃ間に合いそうにないの。

私も会計の計算で手一杯だし…今、菊池君にも来てもらって。」



今は二学期に入ったばかり。

私たちが生徒会の主要学年になり後輩もできた。



まだ引き継ぎがままならないけれど、9月の終わりに迫る文化祭と学院創立100周年式典の準備に取り掛からなくてはいけない。