おにぎりを食べ終わる頃にはみんな笑顔が戻っていた。



「由羅姉ちゃん、綺麗になったね。」



「はは、口説くなら高校生になってからにしなさいよ。」



貴斗君が前みたいな無邪気な笑顔を見せた。



「あ、貴斗君ここのチームやめるんだってね。」



私の言葉にすっと笑顔が消える。



「でも、いいんじゃない?



ここのチームは中学までだからもうこのチームでやることはないと思う。

でも、ここまで続けきたんでしょう?それって野球が好きじゃないとむりだよ。



今は野球なんてって思うかもしれない、それでもいつかまた野球をやりたくなったら、どんな場所でもまた始めなよ。



そしたら類にもう一度会いに来てやって。

また一緒にキャッチボールしてあげてよ。」



私がそう言って笑うと貴斗君もまた笑顔を見せてくれた。



何が必要かなんて、わかるわけない。

でもそれを手探りで探すのがいいんでしょう?



それが1番楽しいんだから。楽しんでよ。