「ら、ライバル認識してるのに、どうして先輩はプールに入らないんですか。もしかして、エリと比較されるのが怖いんですか?」

自分の気持ちを誤魔化すように、聞いてやった。

すると、先程エリに向けた笑顔の圧が面に表れる。

「君、ちょっと空気読めないとか言われない?」

「え…いや…」

「入れるもんなら入ってるわよ。女子が年中プールに入れると思ってるの?」

「あ…」

それから俺は、エリが戻ってくるまで最悪な空気を吸い続けた。