「グレース。僕はこの先もイーディス嬢を好きになる事は絶対にないって断言できるんだ。だからこれは皆んなの幸せの為でもあるんだ。分かってくれる?」

「ーーーええ」

おかしい事だらけだと分かっているのに、結局上手く丸め込まれてしまったグレースは、口をつぐむしかない。
そして、グランサム公爵邸に来るために急に「婚約」を口にしたヴェネディクトの真意はもしかしたら私を助ける以外にもあるのかもしれないと新たな疑問が湧き上がるのを感じた。