そしてもう一つは両親のことだった

昨年夏

ハルに逢いたくて東京へ遊びに行った日

父が過労で倒れたのだった

その年は特別暑い年で過労が原因の熱中症だった

私を気遣い

私が帰るまでその事を何も言わなかった両親

その事があってから

私は上京する夢を少しためらってしまった

父はお陰様で

後遺症などなく日々の生活に不自由することは

なく済んだが

それでも子供は私一人

二人がいったいどう感じているのか

正直いまだに掴めていなくて

両親に迷惑をかけない様

いつも通りの生活を繰り返していたのだった

勿論この事はハルにも相談済みだった

ハルは心配して

名古屋にくる度に両親に挨拶をしようかと

言ってくれた

父が倒れた日の翌日

ハルは半日のオフの時間を使って

実家の近くまで来てくれたのだった

その時は私に仕事があり

ハルが近くにいることに全く気がつかなかった

その為、ハルは私達に会うことなく

東京へと移動しなくてはならなかったらしく

そのまま東京へ行ってしまった