｢君は変わっているな｣

｢そうですか？｣

｢そんなこと、初めて言われた｣

｢本当ですか？｣

私がそう言うと、"本郷先生"の表情が緩んで少しだけど笑った気がした。


｢手、本当に大丈夫ですか｣

｢ああ。医者の俺が言うんだから大丈夫だ｣

｢それもそうですね｣




なんだろう。
"本郷先生"といると安心する。

ずっとここに居てくれたらな…



｢そろそろ外来に戻る｣


｢あ、はい。わかりました｣


ああ、行っちゃうのか…
寂しいな。

そんな風に考える私に、"本郷先生"は言う。





｢ちゃんと安静にしておくように。…たまに様子を見に来るからな｣


その一言に、舞い上がってしまう単純な私がいた。