友達を作るのはとても簡単なのに、


信じることは一生かけても出来ないほど難しい。


時間は戻らない。だから大切なんだ。


永遠なんてどこにもないのに、あの時のアタシは疑うこともなく、根拠のない永遠を信じていたんだ。



「祐華?」


アタシは思わず杉野から逃げようと足を一歩前に出して走り去ろうとしたら、すぐに腕をしっと掴まれてしまった。



「スマホ貸して」


そう言うと、アタシのポケットに入れていたスマホを勝手に取り出して、自分のスマホを弄る。



「はい。これで完了。また連絡するわ」


それだけ言うと、教室から出て行った。


これ以上何も起きませんように、と願いながら、アタシは校舎裏に向かった。


今朝、いつも通りに登校すると、手紙が靴箱に入っていた。


差出人は話したこともない、隣のクラスの男の子。

話があるから、放課後校舎裏に来てほしいとの内容だった。


「杉野くんみたいな人じゃないといいけど…」


接点もない人に呼び出されるなんて、これで何回目よ…


みんな、どうかしてる。簡単に関わっておいて、最後は捨てるくせに。


アタシ、自覚してるほど冷たいなんだし…


校舎裏に着くと、相手らしき男の子がすでに待っていた。


「遅れてすみません」


「来てくれてずけー嬉しい!こうやって河野さんと話せるだけで…」



「アホ」


突然、後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。

振り返ると、杉野くんがいた。



「何でいんの?」


「何浮気してんとか、いい度胸」


「だーかーら。何でアタシに付きまとうわけ?」


「こいつはダメ。諦めて」


アタシが嫌がっているのに、アタシを呼び出した男の子を無理矢理に追い払った。