アタシに付きまとう彼が愛おしい



「分かった。ただし条件がある。 先生も入ってもらう」

葵とアタシが裏口合わせが出来ないように、先生も入るんだって。


「失礼します…」


軽くノックしてから、特別指導室に入った。


「葵!大丈夫!?よかった…」


葵はビックリした顔と、何もなかったような爽やかな顔でアタシに言ってきた。


「祐華?どうしてここに?」


ごめんね…だけど正直に認めるべきだと思う。


「なんだろう…あのね、葵は好きで やってるわけじゃないと思う。でもここは認めようよ。助けを求めようよ。そしたら一緒に立ち直そうよ!今ならまだ間に合うから!」


葵はそんな言葉を求めてないかも知れない。


それでも、アタシは葵に少しでも希望を持たさせたかった。

すると、葵は"ふふっ"と軽く笑う。


「祐華、ありがとうね。全部話してくるよ」


「うん!」



この時のアタシは、葵の力になりたいと精一杯だった。