葵が虐められていた事に気づいてあげられなかった罰として、アタシは先生に嘘をついた。
また、呼び出されるに違いない。
どーしようって、心の中で焦ったら勢いよく教室のドアが開いた。
「昨日の犯人が分かったらしいぜ!」
「やっぱ、西内かよ!」
「今、特別指導中やろ」
え、待ってよ…
葵が正直に認めたってこと?
いやそんなはずがない!
じっといられなくて、全力で特別指導室まで走った。
「先生!葵は?どうなってるんですか!?」
「ここだけの話。保健室の先生の話によると、彼女は 何回もリスカしたそうよ。念のために葵の話を聞いてるとこだけどずっと無口で何も話さない」
そ、そんな…アタシ、全然知らなかった。
「葵と話をさせてください。お願いします!」
精一杯に頭を下げた。
「お願いします!先生」
