ヴァンパイアRose

「…もういいよ。



そんなに嫌な顔されたらこっちも面白くないし。」



そう言ってカイラさんは私の元から離れる。



「こんな格好にしておいて…



よくそんなこと言えますね。」



私はカイラさんをキッと睨みつけた。



「…別に、こんなこと普通だよ。



ほら、もう君は用済みだから出てって。」



…なにそれ、さっきは強引に連れ込んだのに。



今度は出てけって??



最低、最低最低最低最低最低最低最低!



最悪最低な男だよ。



私はボタンを付け直し、思いっきりドアを閉める。



バンッッッ!!



そしてそのまま私は自分の部屋に閉じこもった。



片付けなんて、やってられない。



目を閉じたらさっきの光景が再び脳裏に浮かぶ。



…あの時のカイラさん、いつもと違って怖かった。



でも、少し悲しそうな顔をして…いた?



いや、そんなわけない。



あんな人…。



ポロッと涙が溢れてきた。



帰りたい、帰りたい。



なんで、なんでこんなところに私は来たの?



もう…いやだ。



コンコン



「…だ、誰?」



「クロウだ」



私は慌てて涙を拭き、立ち上がる。



「ど、どうぞ。」



クロウさんはそっと私の部屋に入ってきた。



どうしよう…怖い。



さっきあんなことがあったばかりだから、クロウさんもそうなんじゃないか、なんて勝手に思ってしまう。



「…どうした?」



「い、いえ…な、なんにも…です。」



怖い、怖い怖い怖い。



…この感じ。



私が怖いと思っていた時、森でクロウさんが助けてくれた。



その時のことをふと思い出し、少し心が落ち着く。



「クロウさん…」



私は一気に力が抜けてぺたんと座り込んでしまう。



「お、おいっどうした」



「いえ、安心してしまって。



クロウさんといると落ち着くと言いますか…」



「!?」



クロウさんを見ると耳が少し赤くなっていた。



…?



私、何か言ったっけ??



私は先程発した自分の言葉を思い返す。



『クロウさんといると落ち着くと言いますか…』



つまり、クロウさんといると落ち着く_。



「あっ、そのっ、別に深い意味があるとかではないので!!」



誤解されないように慌てて付け足す。



とは言っても、クロウさん本人が落ち着いているから、一緒にいる私まで少し冷静になれる。



…カイラさんのこと、言った方がいいのだろうか、それとも黙っておいた方が…。



私の考えていることを察したのか、「何かあったのか?」と優しく声をかけてくれた。



クロウさんに伝えたいけど、迷惑はもうかけたくない。



「いえ、ただ学校が少し不安だなーって…」



なんだか、申し訳ないな…。



とは言っても学校が不安なのは本当だ。