ハープを片付けると、ローズも庭へと出た。するとソフィーが、いまだあたりを見回して何かを探していた。庭にでてきたローズをみつけると、あわてて戻ってくる。

「無断で離れてしまい申し訳ございませんでした。お部屋にお戻りになられますか?」

「ええ。それより、ソフィーにも聴こえたのね」

 は、とソフィーが、顔をこわばらせた。その表情で、ローズは気づいた。


「もしかして、今のトラヴェルソを誰が吹いていたのか、知っているの?」

 ローズが聞くと、ソフィーは戸惑ったように視線をさまよわせた。

「どうでしょう……お二人ともよく似た音でしたので……」