「ねぇ。花音って、結婚願望あるの？」

「あるわよ！失礼な」


･･･あったんだ。

理由は別にしろ、花音はないのだとばかり、勝手に思っていた。


「何、その顔。あたし、結婚しないと思われてたの？」

「いや、まぁ」

「いつかは結婚して、子どもだって欲しいわよ」


そうなんだ。

花音が、母親って･･･


「ごめん。花音が結婚したとして、母親になってるのは全然想像できないんだけど」

「今はあたしもできないけど、子ども産んだら、自然と母親になっていくてしょうよ」


何、その行き当たりばったりな感じ。

でも未来(先のこと)なんて、誰にもわからないしね。


「出産祝い、渡す日が来ることを願ってるよ」

「多目に包んでよね」

「はいはい。で、花音の方は片付きそうなの？」


チラリと花音の様子を伺うと、そろそろ花音の方の仕事も片付きそうだ。