未来の約束

そして自分の席へと戻ると、仕事を振り分ける。

花音は抱えている仕事が多いので、お願いはできない。

田丸は意外と使えそうだし、代わりに来たんだからほぼほぼ受け持って貰わなきゃ困る。

よし、これで良いか。

各自のデスクに書類等を上げる。


「廣木さん。何ですか、これ?」

「そうですよ。これ、廣木さんの担当ですよね?」


同じ事務員たちが、次々に疑問をぶつける。


「引き継ぎ。明日から、本社勤務になるから」

「は?」


あたしの言葉に真っ先に反応したのは、花音だ。


「マジ?」

「大マジ。たった今、常務から直々に辞令を告げられた」

「急すぎでしょ?」


その反応は、間違ってない。

最低でも、普通は1ヶ月前には辞令が降りる。