何故敵対する組とそこまで濃い関わりがあるのか


それは、益田が昔は篠原と同盟を組んでいたからである


同盟を組んでたと言っても、昔から折り合いが悪く仲が良かったわけではない為最終的に益田は同盟を抜けた


そこからというもの、なにかと因縁を付けて突っかかってくるし今回は抗争まで仕掛けてきた


益田剛は益田組の若頭で、昔からお嬢に勝負を挑みは負けてを繰り返す学習しないバカ


お嬢にライバル心を燃すも相手にされず、それがまた闘争心を燃やすのか見ての通りの調子


「未衣、一つだけ忠告しておこう」


「……なに」


「お前の大切なモノ、俺が知らねえとでも思ったか?」


「………」


「俺はお前に勝つ為なら手段なんて選ばねえよ」


「なにを企んでる」


「さあな?俺に泣いて縋りつくなら教えてやってもいいが?」


「くだらない。秦行くよ」


「ふっ。お前は殺しも抗争への参加も出来ない。中途半端に与えられた権力でどこまで大切なモノを守れるか見物だなあ?」


「大切なモノを傷つけられる所を黙って見てろって?」


「あぁ。お前は俺に手を出せねえからな」


「その時は掟を破ってでもお前を殺す」


「口ではなんとでも言えるさ、そんな事すればお前だってタダですまねえだろ」


「じゃあ、私をそこまで怒らせないことだ」



まさに一触即発


お嬢が先に背を向け歩き出した後ろを俺は黙ってついてった