繁華街に出ればちょっかいをかけてくる益田の組員
俺より先に気づいたお嬢が、そこら辺に落ちてた煉瓦の大きなカケラを付けて回る益田の組員に向かって投げれば合図の開始
…良い子は真似しないでね
「よお、篠原組のお嬢」
「なんの用だ」
「若がお呼びだ。ついてこい」
「私は用がないから断る」
「ちっ。舐めやがって」
「話があるなら直接来いと伝えろ」
どうやら今日は冷静な判断の出来る奴を寄越してきたらしく、被害者はお嬢の投げた煉瓦をモロに食らった組員1人だけだった
今話してるのは、確か益田の幹部候補の男
連日ちょっかいを出されるのも、後を付けて回られるのも全部お嬢を狙ってのもの
理由はただ1つ。益田組の若頭がお嬢を呼び出すため
「あの人だって忙しくなければとっくに来てるさ」
「生憎お前らのせいでコッチだって忙しいんだ。邪魔するな」
「なんとでも。とにかく近々若が来る、とだけ伝えておく。今日の所は失礼」
「ちっ」
煉瓦を食らった組員を引きずって闇に消えた益田の幹部候補の男
お嬢の機嫌は過去1最悪だ


