「クソ親父め」
なんて話している内に倉庫に着いた
みんなに挨拶しながら湊に手を引かれて幹部室に入ると、すぐさまぎゅぅと抱き締められる
まだ会ってもない相手を想像して既に気分が悪くて仕方ないらしい
「まぁ、湊の女嫌いは重症だからね」
あはは、と苦笑する海くんにそういえば私以外の女の子と接触してる機会を一度も見たことがないから忘れてた事に気付いた
理由はそれぞれみたいだけど、みんな女の子が嫌いらしい
特に湊が1番酷いんだとか
「湊、いつ縁談なの?」
「………明日」
「いってらっしゃい」
「……やだ」
滅多にない弱ってる姿にキュンとする
「湊!湊!」
「ん」
「頑張ったらたくさんぎゅぅしてあげる!」
「なにそれ可愛い反則」
ぎゅぅだよ、と両手を広げれば機嫌が戻った
「あと、」
「なんだ?」
「あたしだって湊が他の女の子と会うの嫌だもん…」
ぷくっと頬を膨らませて少しだけいっちゃんへの怒りを表す
「どんだけ可愛いの」
今日の湊は抱き着き魔らしい
苦しいくらいにぎゅぅぎゅぅとされる


