繁華街で新しいネズミを捕まえていると、いつも通り現れた高宮湊達
正直このまま渡したくない。
でも、未衣だっていつまでも逃げ続けるわけにもいかないだろ?
担がれて連行されていった未衣が今頃どうなってるかなんて簡単に想像がつく
……イラつくなぁ
案の定、次の日の夕方に帰ってきた未衣はどこか幸せそうだった
「未衣、仲直りしたの?」
「うん!」
「そっか。良かったね」
ズキリと痛む胸を隠して、未衣の頭を撫でた
「はっちゃん、あのね」
「ん?」
「あたしにとってはっちゃんは、大切な幼馴染で最高の仕事のパートナーだよ」
「……そっか。ありがとう」
どこまでも可愛くて、どこまでも残酷な優しい返事
「あたしね、湊が好き」
「わかってるよ。俺の入る隙なんて最初からなかったからね」
うわ、自分で言って苦しいや
ポスト篠原雅、だなんて謳われる俺も惚れた女の前ではただの男らしい


