眠り姫と総長様 Ⅲ


八弥side


「ぐあぁぁっ」

「さっさと出所吐け」

「し、知らねえんだって!」

「知らねえでこんなもん持ってるわけねえだろ」

「お、俺は本当にっ!」

「私、気長くないの。早くして」


篠原組の地下にある拷問部屋

俺と組員数人と未衣と、繁華街で捕まえた男1人


無表情で男を容赦なく追い詰める未衣は、まさしく悪魔だと言われる篠原組お嬢そのもの


忙しい雅さんの代わりに未衣とバディを組んで連日繁華街に出ているのは、最近裏で出回り出した違法薬物の出所と組織を見つけ出す為


つまり、目の前で拷問されている捕まえた男はその違法薬物を使用している1人


『はっちゃーん!』

だなんて、昔から可愛く俺の背後をちょこちょこ着いてきてた小さくて可愛い未衣は
年月が経つにつれてどんどん成長していった


気付いた頃には、この世界で一番の権力を持つ誰も逆らう事を許されない最強の女の座を手にしていた


お嬢、と呼ばれる立場に産まれた人間は誰も篠原未衣に逆らえない

当たり前のようにそう教育され、お嬢の世界では未衣が全てでありルールになるほどだ

でも、昔から俺にとって未衣は未衣でしかない


好き、なんだよな


本気出せば俺と互角…もしくはそれ以上かもしれないけど


小動物みたいな見た目からは想像つかないだろ?