眠り姫と総長様 Ⅲ



連日こんな調子だと、さすがの俺も少し冷静に話が出来るようになった


「未衣、」


こっちを向け


「なに、…」

「信じてる。」

「っ……」


俺の目を見た未衣から逸らさず、たった一言

大きく見開かれた瞳は、ほんの少し薄い膜を張っている


「ごめんな、たくさん傷付けて」

「ち、がうっ!」

「独りで闘わせてごめんな」

「ひとり、なんて…」

「俺は、未衣と共に生きてく覚悟がある。これだけは忘れないでほしい」

「み、なと…」


久々に、名前を呼んでくれた

それだけで心が満たされる俺は単純なんだろうか?


「この後も仕事なんだろ?邪魔して悪かった」


クルリと未衣に背を向けて歩き出すと、小さい手が俺の手首を掴んだ


「待って…!」

「どうした?未衣」

「あっ……ごめっ…」


焦った様子で俺の手首をパッと離した未衣


掛かったな


ニヤリと心の中で笑った