眠り姫と総長様 Ⅲ



「はっちゃん嘘は辞めて。からかわないで」


そんな八弥さんの腕を払い除けた未衣は、思いっきり八弥さんを睨んでた


はっちゃん、って呼んでるのか

随分と親し気なことで


「嘘じゃないだろう?プロポーズはしたはずだけど?」


噂はどうやら、本当だったらしい


「了承した覚えはない」

「未衣、そんな怖い顔しないで。せっかくの可愛い顔が台無し」

「湊の前であたしに触らないで」

「なら、2人きりならいいわけ?」

「違っ…」

「俺の腕の中で、ソイツの名前呼ぶくらい好きなんだもんね?」

「変な言い方しないで!」


明らかに焦ったように、大声を出す未衣

そんな未衣を意地悪い顔で見下ろす八弥さん


「未衣、どういうことだ」

「どういう事もなにも、こういう事だよ」


なにか言おうとした未衣の言葉を遮った八弥さんは、繁華街のど真ん中

未衣の腕を引っ張って後頭部に手を回すと、俺達の目の前でキスをした


その瞬間、黄色い悲鳴が上がる繁華街