眠り姫と総長様 Ⅲ



「話終わった?まだ仕事残ってるんだけど」


間に割り込んできたのは、俺を嘲笑うかのように冷たく見下ろす八弥さん


「まだ終わってません」

「未衣は君と話すことなさそうだけど?」

「俺はあります」

「話が成立しない以上、時間の無駄でしかない」

「未衣っ!」

「未衣、時間が押してるから行くよ。」

「………うん」


八弥さんは俺の腕を払い除けると、未衣を連れて俺たちの横を通り過ぎた


「未衣っ!」


聞こえてるはずなのに、振り向いてくれない


なにを考えてるのか、分からなかった


俺じゃなくて、片山八弥を選んだのか?

そう思わざるおえなかった


まともに目を合わせることも、話すこともしてくれない

高宮組の若頭、と俺を拒絶した未衣に心が苦しかった



一度出来た溝は、埋まる術を知らない