「未衣、泣きたい時は泣いていいんだよ」
「っ…ふぇっ…」
「俺が居てあげるから。甘えていいんだよ」
はっちゃんの温もりに安心して、涙が次から次へと出てくる
珍しく弱った、立て直し方を知らないあたしの心に蜂蜜のように甘いはっちゃんの優しさが塗り込まれてく
えぐられた過去の記憶が、ドロリとした蜂蜜で埋まってく
ベッタリくっついた蜂蜜は、なかなか取れない
泣き疲れてはっちゃんに身体を預けて寝てしまったあたしは
「秦さん、弱ってる未衣に漬け込む俺って悪い男かな?」
「俺はお嬢が幸せになるなら誰でもいいからね〜」
「高宮湊に任せておけねぇ」
はっちゃんとしーくんが交わした会話を知らない


