眠り姫と総長様 Ⅲ



「お前らの噂、街ですげぇことになってる」

「う、わさ?」

「"お前ら2人が付き合ってる"」

「あ、ちょっ…」

「"お似合いでラブラブ"」

「んぅっ…」

「"篠原組のお嬢が、唯一気を許せる相手"」

「みなっ…」

「"ラブホで熱い夜を過ごした"」

「そ、れしごっ…」

「極め付けは、片山八弥の公開プロポーズ」

「や、めっ…」


苦しそうに顔を歪めて、無理矢理行為を進めてく湊


「どういうことだ未衣」

「は、なしてっ…」


怖いよ、湊

制服は既にはだけて下着もずらされて機能してない

湊はネクタイすら緩めることなく、あたしの手首を掴んで拘束していた


この状況が、幼い頃のあたしと重なって怖かった

せっかく、みーくんと元通りになって忘れてたのにっ…

泣きたくなんてなかった

弱さを見せたくなかった

なのに一度で始めた涙はポロポロと溢れ止まることを知らない