そして翌朝、空き教室の扉の目の前で般若の顔で仁王立ちして待ってた湊
「未衣…いい度胸してんじゃねえか」
「み、なと?」
開口一番にこのセリフ
こうして冒頭へ戻る
突然担がれて、理事長の総一郎さんがあたしの為に用意してくれたベッドに投げ落とされる
「きゃっ」
湊に乱暴な扱いをされるのは初めてだった
あたしを組み敷いたまま動かない湊の瞳は、ゆらゆらと怒りと悲しみで揺れていた
「未衣、」
低く、押し殺した声に体がビクンと反応する
「説明しろ」
「説明もなにも、」
「片山八弥とどういう関係だ」
「…幼馴染だよ」
「昨日、どこでなにをしていた」
「……仕事だよ」
「嘘吐くんじゃねえ」
「本当だよ!」
怒る湊に、あたしの声が届かない


