反論したくても、言葉が出てこない
湊はなにも言わないけど、私が仕事をする事をあまり良く思ってないのは薄々気付いてた
引き止めることも嫌がる素振りも見せない
でも、あたしに危ない目にあってほしくなくて快く思ってないのは分かってた
でも、私には次から次へと仕事が入るわけで今更辞めるなんて事は出来ない
だから、見て見ぬフリをしていたのは事実
「俺なら、未衣のパートナーとして隣に立ち続ける事ができる。」
「………」
「真剣に考えてほしい」
なにも、言えなかった
曖昧に微笑むあたしに、何事もなかったように別の話題を振ってきたはっちゃんの優しさに甘えた
食事を終えてエスコートされながら車に戻る
『お前と、同等に接せられるヤツなんて一握りしかいないだろ』
『"篠原未衣"を受け入れた上で、隣に立ってる?』
はっちゃんの言葉が、脳裏に焼き付いて離れない


