眠り姫と総長様 Ⅲ



「あと、さっきの話だけど」

「……」


さっきと同じ真剣な表情


「俺は本気だよ。昔から未衣が好きだった」

「はっちゃん……」

「高宮湊と付き合ってるんだろ?」

「どうして知って…?」

「雅さんから聞いた」

「………」

「未衣を困らせる事は分かってる。でも悪いけど俺は諦めないよ。」

「………あたしは、」


湊との関係を知って、それでも諦めないと言うはっちゃんに何も言えなかった


「結婚してほしい」

「っ……」


はっちゃんが、本気だから


「高宮湊より、未衣の事を幸せにする自信がある。悪いけど実力だって俺の方が上だ。卑怯な事言えば、未衣の隣に立つのは俺の方が合ってると思う」


「…あたしは、高宮だからとかそういうので湊を好きになったんじゃないよ」

「分かってるよ。ズルイ言い方してごめんね」

「ううん。いいの」

「ねえ未衣、もっとズルイ事言ってもいい?」

「…なに?」

「高宮湊は、"篠原未衣"を正面から受け止めてくれてる?」

「………」

「"篠原未衣"を受け入れた上で、隣に立ってる?」

「そ、れは……」