「予約してあるからご飯行こうか」
「うん、」
はっちゃんに連れて来られたのは、最近オープンしたばかりの高級レストラン
エスコートされて席に着き、メニューを渡される
「好きなの食べていいよ」
「あたしこれにする」
「ん、わかった」
ウェイターを呼び慣れたような注文するはっちゃんは大人の男の人で
ぽーっとしながら、頭の中に浮かんだのは湊のあたたかい笑顔だった
運ばれてきた料理を食べ進めながら、はっちゃんと色々なお話をした
大半は仕事の話、どうやらまた新たな大きな任務を遂行する為に今度は隣県に長期で行ってしまうらしい
「今が勝負時だから仕方ないけどさ」
「次のそれ、結構厄介だよね」
「あぁ。敵にバレたら即殺されるだろうな」
「……死なないでね」
「未衣を置いて死ぬわけないだろ?」
過去の案件から考えても、はっちゃんの次の任務は相当難易度の高く危険が伴うもの
「実は、雅さんに頼んで次行くまでの間篠原で訓練する事にしたんだ」
「え?そうなの?」
「ウチの稽古より篠原の稽古の方が遥かに上だから。確実に成功する為に必要だろ?」
「確かにね」
「だからしばらく篠原でお世話になるからよろしく」
「え?あ、よろしく」
「んだよその微妙な返事〜」
「えへへ」
チラチラと脳裏を過ぎるのは湊の顔
なにごともない事を祈るしかない


