「篠原のお嬢を女除けに使ってる俺贅沢」
「ドレスのお礼ね?」
意地悪く笑ったはっちゃんに、同じように笑い返す
「全く、いつの間にこんな成長しちゃって…」
「何か言った?」
「ううん、なんでもない。それより雅さんから集金頼まれてるんでしょ?食事まで時間あるから先に行っちゃお」
「ありがとう、せっかくなのにごめんね?」
「全然いいよ。あの人も忙しいし未衣だって本当は今日もガッツリ仕事だっただろ?」
「まあね〜」
「ほんと、篠原のお嬢には誰も逆らえないな」
おどけたように笑うはっちゃんにむっとすれば、ぐいっとさらに引き寄せられた
「はっちゃん近い」
野次馬が黄色い歓声をあげているのが聞こえる
「俺、未衣と最高のパートナーになれる自信あるよ?」
繁華街のど真ん中、あたしを引き寄せ周りに聞こえる声で確かにそう言った


