眠り姫と総長様 Ⅲ


家に着いて、部屋に着替えに行く


そういえばはっちゃん、デートとか言ってたけど湊と付き合ってる事知らないんだもんな〜

でも過保護なはっちゃんにそんな事言ったら、湊のところまで乗り込んでいきそうな気がするし……うん、やっぱり言うに言えない


白のフリルがあしらわれたブラウスと、淡いピンクの総レースのタイトスカートに黒のヒール


湊達と居る時はもう少しカジュアルな格好だけど、なんせ今日外を歩くのは篠原未衣として

…となると、下手な格好が出来ないのである


お化粧は直す程度にして、髪の毛をアップスタイルにして整える


支度が出来てはっちゃんを探すけど見当たらない


「ねぇ、はっちゃんどこか分かる?」

「片山の若ならまだ組長と稽古してます!」

「ありがとう」


廊下を歩いてた組員に聞くと、なんとまだ稽古中だったらしい


離れにある道場へと足を運ぶと、はっちゃんが組員5人相手に戦っていた


無駄のない動き、相手を確実に仕留める重たい一撃、相手の攻撃を先読みする回転力


相変わらず、はっちゃんの戦い方は綺麗だった


「辞め!勝者片山の若!」


「つっかれた〜!」


道場着で汗を拭い大の字に寝転がるはっちゃんと組員達