湊side
カタカタカタカタ
「もしもし……あぁ。…分かった。」
電話を取りながらも視線は勿論PCに向けられていて、俺にその瞳が映ることがない
カタカタカタカタ
航輝達の前であまり見せる事のない真剣な表情
♪〜♪〜♪
「もしもし私。……わかった送っておいて。……いや、もうじき終わる。……あぁ」
月に1回の会合で見る"篠原未衣"の姿
俺は今、篠原で開かれた会合が終わって未衣の部屋にいる
PCに集中している未衣は、俺がどんなに触れても特に気にする様子がなくすげえスピードで仕事を進めている
つまり2人きりだというのにずっと放置
未衣に、仕事をしてほしくないと思うのは俺の我儘なのだろうか
コンコンコン
「はい」
「みー、仕事終わった?」
「もう少しだよ」
「それ終わったら今日はゆっくりしな。最近働きすぎだから」
「でも、」
「倒れられたら元も子もない」
「…はーい」


