「どうした?」


「_______________________」


「………」


背後の奴等には聞こえないが、俺にはハッキリ聞こえる声で伝えられたその言葉

俺は何も言えなかった。


「じゃあみんなまた落ち着いたら来るね〜!こーちゃんとりっくんと海くんお菓子いっぱいありがとう!」


「俺のは久々に手作りしたから味わって食えよ〜」

「未衣ちゃん僕オススメのお菓子の感想待ってるからね!」

「俺のは生菓子系なので最初に食べてもらえると助かります」


「未衣ちゃんいつでも待ってるからね!」
「気を付けて下さい!」
「俺らはいつでも未衣さんのこと大好きっすからね!」
「未衣さん無理はしないで下さいよ!」
「ちゃんと睡眠取ってご飯食べるんすよ!」
「あ〜また野郎だけの日々に戻るのか」
「未衣ちゃん〜〜!」


ひょっこり顔だけあいつらに出して別れの挨拶をし、未衣はまた俺と向き合った


「じゃあもう行くね」


「あぁ、怪我するなよ」

あわよくば外に出ないでくれ

「もちろん!湊たちを巻き込んで申し訳ないけど常に警戒だけはしといてほしい」


「分かってる、安心しろ」

行かないでほしい、

「あっ、湊」


「なんだ?」

手招きをされて未衣と同じ視線に合わせてしゃがんだ

「あのね、愛してるよっ」

耳元で囁かれた不意打ちのそれに、思わず思考が止まった


一瞬の隙を狙って身体を抱き締める前に車に向かい乗られてしまった


「みんなじゃあね〜!」


くそっ、言い逃げかよ

終わったらまじで覚えてろよ