眠り姫と総長様 Ⅲ


「………分かってるけど」


未衣の言いたいことも分からなくはない


いくら龍神が全国トップであれ、未衣が抱えているのは全国トップクラスのヤクザの抗争案件


比べ物にならねえことくらい馬鹿でも分かる


「こいつらは俺が守るから安心しろ。未衣は未衣のやるべきことだけを考えてればいい。」


だが俺だって龍神の総長であり高宮組若頭だ


1人の女に…いや、未衣に全部を背追い込ませて守られる程弱くはねえしそれを出来ねえでコイツの隣に立てるわけがねえ


「……湊、」


「その代わり、この案件が終わったら今まで会わなかった分覚えてろよ?」


「っ……!!」


途端に顔を赤くする未衣に背後から冷やかしの声が聞こえる


「あ〜未衣ちゃん顔真っ赤〜」
「総長かっけえ〜!!」
「ヒューヒュー」
「総長一生ついてきます!!」
「あれあれ未衣ちゃん〜?」
「かっわい〜」


さっきまでのシリアスムードは何処へやら


「じゃあ悪いけどもう行くね〜。お前らも分かってると思うけど気をつけてくれな」


「了解です。未衣と秦さんも気を付けて」


航輝から荷物を受け取って先に車に乗った秦さん


残った未衣は俺の目の前に来て真剣に顔を見上げていた